自分の声がわからない?歌声をより魅力的にする方法を徹底解説!
自分の歌声がわからないのは「得意な音域の歌を歌っていないから」
もうひとつ、自分の歌声に迷子になってしまう理由のひとつに「自分の得意な音域の曲を歌っていない」ことが挙げられます。
ある曲を歌っていて「どうしても曲の高音部がきれいに出せない」、「歌いたい曲のサビ部分が高音なのでキーを下げたら、今度は低い部分の声が出ない」といった悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
実はこれらの悩みは、自分の得意な音域を把握し、それに合った選曲をするだけで改善する場合があるのです。
プロ歌手も得意な音域の曲を選んでいる
発声するときに震わせる「声帯」の大きさに個人差があるように、声質や出せる音域はひとりひとり違うものです。プロ歌手でさえ、音域のすべての音をきれいに出せるというわけではなく、自分が一番魅力的な声を出せる音域を知っていて、それを生かす曲を歌っているのです。
「出せる音域」と「歌える音域」は違う
男性では「高い方のラ」、女性では「高い方のレ」がチェストボイス(地声)で出せると高音が出せる歌手、という評価になるようですが、例えばこの男性が「高い方のラ」が次々と続く曲の高音部を楽に歌うことができるでしょうか?
高音は「ただ出せれば良い」というわけではなく、ニュアンスをも表現できるような、美しい響きでなければなりません。声が出る音域と、歌える音域とはイコールではないのです。
ギリギリチェストボイスが出せる音の連続では、苦しそうな歌い方になってしまうことが予想されます。そのため、多くのプロ歌手はキーを下げることを選択するでしょう。
楽曲の雰囲気を壊したくないと、歌うのがしんどいのにも関わらず原曲キーで歌おうとすることは、かえってその雰囲気を損なってしまうことにつながるのです。
歌える音域は客観的に判断しよう
自分で作曲して歌うシンガーソングライターは、歌いながら作曲することもあって、自分に最もあった音域を把握している方がほとんどです。自分にあった音域で表現された楽曲は、無理のない説得力のある歌声となって、聞き手の心に響きます。
ここで大切なのは、自分が歌いたい音域と、他人が聞いたときにきれいに聞こえる音域は必ずしも同じではないという、客観的な視点を持つことです。
録音を聴き直すことで自分の歌声を客観視する機会を作り、聞き手とのミスマッチをなくすよう心がけたいものです。
まずは自分の歌える音域を把握しよう
それでは、どうすれば自分に最適な音域で歌うことができるのでしょうか? まずは自分の現状で歌える音域を把握することが大切です。
歌声を自分で聞いているだけでは把握することは難しいので、客観的に把握できる方法を利用しましょう。
(1)カラオケの採点機能を利用する
カラオケの採点機能を使えば、歌のどの音が出せなかったのかを客観視することが可能です。また、最終結果では一曲まとめてチェック可能なので、満足に出すことのできる最高音と最低音がどの音なのかを、把握することもできるでしょう。
(2)スマホアプリを利用する
無料のスマートフォンアプリを利用して、自分の音域を確認する方法もあります。
Tuner – gStrings Free|Google Play(Android)
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.cohortor.gstrings&hl=ja
シンプルなチューナーアプリ。感知させる音の種類(楽器や自分の声など)を選択して使用し、音がぴったり合うとメーターの色を変えてお知らせしてくれます。
チューナー n-Track Tuner|App Store(iOS)
https://apps.apple.com/jp/app/chuningu-meta-n-track-tuner/id409786458
こちらも、感知した音の高さを表示させるチューナーアプリです。無料の提供機能内でも高精度と高感度を謳っています。
(3)歌声を人に聞いてもらおう
できたら、気のおけない家族や友人に自分の歌声を聞いてもらう機会を作りましょう。機械的な判定に加えて、人に心地良く聞こえる歌声かどうかを判定してもらうことはとても大切です。
自分の歌える音域と歌う曲の音域が合っているのかを確認しよう
選曲するときには、その曲の一番高い音と、一番低い音がきちんと出せるのかどうかを確認しましょう。
一番高い音は、自分では出ているつもりでも目標の高さに到達できていない場合が多いといいます。また、一番低い音はおざなりになりがちで、出てもカッスカスな声にしかならないのでは、とても魅力的な歌声とはいえないでしょう。
曲中の一番高い音と一番低い音が両方とも、美しい響きの声を出せる曲を選曲しましょう。
または、曲のキーを調整して、自分の声に最適な音域に合わせます。ギリギリで出せる音域が多い時はキーを調整し、得意な音域を探しましょう。
自分の音域を広げるトレーニングをしてみよう
最後に、積極的な方法として自分が出せる音域そのものを広げる努力をしてみましょう。出せる音域には個人差があるのですが、トレーニングにより幅を広げることはある程度可能です。
ただし自分の音域を広げるためには時間が必要で、ゆっくりと半音ずつ広がっていくものと認識しておきましょう。力みすぎてはかえって逆効果なこともありますので、マイペースに焦らず取り組んでみることをおすすめします。
高音域を広げるトレーニング方法
高音域を広げたいときには、出したい音そのものだけを頑張って練習するのではなく、曲中から出したい音を含むフレーズ(息継ぎから次の息継ぎまでの間)を抜き出し、そのフレーズごとキーを下げて練習します。
キーを下げてスムーズに歌えるようになったら、キーを上げて歌ってみる。それでうまくいかなければ、またキーを下げて練習するということを繰り返しましょう。この練習を繰り返すにつれ、出したい音が徐々にきれいに出せるようになるはずです。
低音域を広げることは可能?
低音域は高音域と比較するとトレーニングで解決することが難しいとされています。発声するときに震わせている声帯の長さによって、地声の高さが決まっているからです。
低音は、胸や肺の中の広い空間を響かせて音を発します。これらの部分が十分に響くよう、全身の力を抜いて歌えるように練習しましょう。
そして低音の練習中に声が割れる、かすれる、喉が痛くなったり咳き込んでしまったりするような状況であれば、その音は自分の声帯が出せる限界以上の低音であるということです。
それ以上のトレーニングはかえって喉を痛める原因となってしまいますので、無理はしないようにしましょう。
自分の歌声をもっと知って歌うことを楽しもう!
自分の声に違和感を感じなくなる方法や、自分に適した音域で歌うことの大切さをご紹介してきました。歌うことを練習する中で、自分の声を知ることということもぜひ、楽しみのひとつにしてみましょう。
自分の歌声と向き合うことを繰り返すうちに、自分の声をもっともっと好きになって、自信を持って歌うことができるのではないでしょうか。