バンドボーカルになりたい!適性や練習方法を紹介します

歌手

バンドで歌うことと一人で歌うこととはどう違う?

歌い手が一人だけで表現するときと、バンドが一つになって表現するときでは、歌い手の「意識」を変える必要があります。バンドボーカルを目指したいと考えているのであれば、この違いについて把握しておく必要があるでしょう。

仲間と一つの音楽を作り上げるバンド演奏には大変なこともありますが、やりがいや充実感も大きいものです。自分の適性を見極めて、ぜひバンドボーカルにチャレンジしてみてください。

バンドボーカルに向いている人とは

バンドのボーカルにはどんな歌い手が適しているのでしょうか?「歌が上手い」ことのほかにも、必要な要素がいくつかあります。

もちろん、歌が上手いことはバンドボーカルの前提条件といってもいいくらい重要な要素ですが、ライブなどで多くの曲を歌い続けたときでも声がかすれない、喉の強さも必要になってくるでしょう。バンドボーカルには、カラオケで1曲、2曲歌ったときの「上手い」とは、別の歌の上手さが求められるのです。

独りよがりな歌い方はNG

バンドはボーカルに加え、ギターやベース、ドラムなどの楽器と合わせ、より魅力的な音楽を表現する演奏形態です。そのため、独りよがりや歌い方をするボーカルでは、どんなに上手くても良いバンド演奏にはなりません。

リズムがほかのパートと合っていなかったり、表現したい音色の方向性が違ってしまっていたりしたら、ちぐはぐな音楽になってしまいます。一緒に演奏するメンバーがやりづらいと感じてしまうようなボーカルでは、残念ながら敬遠されてしまうでしょう。

プレッシャーに強いタイプが向いている

あなたはプレッシャーに強いタイプですか? バンドの演奏中は自分やバンドメンバーなどにトラブルが起こっても、最後まで演奏し切ることがとても大切です。

ライブハウスのようなステージで歌うことは、閉鎖空間のカラオケボックスで歌うこととは違うことがたくさんあります。観客の歓声が大きくて圧倒されてしまうかもしれませんし、後ろから響くバンド演奏はカラオケの伴奏と比べ、質も音量も段違いです。

プレッシャーに弱く、周りの環境に左右されやすい方ではすぐ流されてしまい、自分の思うような表現で歌うことができなくなってしまうでしょう。

ボーカルはバンドのリーダー

バンドのボーカルは、バンドの中心、花形ともいえるパートです。リーダー気質の方や、ほかのパートへの気遣いができ、チームをまとめ上げることができる方が、ボーカルに向いているでしょう。

自分を鼓舞できるだけではなく、一緒に演奏するメンバーのことも引っ張っていけるような人こそが、バンドボーカルには適しています。

バンドボーカルにはアピール力も必要

自己顕示欲が強く、自己アピールの上手な方や、自分から前に出ていくタイプの方がボーカルになれば、ボーカル自身はもちろん、バンドをより魅力的に見せることができるのではないでしょうか。

演技力もバンドのボーカルには求められる要素です。歌詞の意味を聞き手に届けることができる表現力、観客を盛り上げようとするパフォーマンス力に長けている方は、バンドボーカルの適性があると言えるでしょう。

バンドボーカルになるための練習法とは

それではバンドボーカルを目指したいと思った方に、ボーカル力をアップさせるための練習方法を紹介します。

(1)まずは長く歌うためのからだ作りから

バンド演奏に見合った音量、音質の声を出せるよう、まずは歌えるからだ作りを目指しましょう。安定して大きな声を出し続けられるようになるには、腹圧を鍛えるトレーニングを行うのが効率的です。

腹圧を鍛えるためには、腹筋よりもからだの奥にあるインナーマッスルを鍛える必要があります。正しい腹式呼吸を繰り返すことで、インナーマッスルを効果的に鍛えることができるでしょう。

「アブドミナル・スクイーズ」という、腹式呼吸による筋トレ方法があります。

まず床に仰向けに寝て、両膝を立てた姿勢をとりましょう。腹部の筋肉をリラックスさせてから、下腹に空気を送り込むことをイメージし、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。

次に、お腹の空気がすべて抜けるように口から息を吐き切ります。このとき、腹直筋(いわゆる腹筋)に力が入らないように気をつけましよう。腹式呼吸の感覚が掴みづらい方は、お腹に手を当てながら行うと良いです。

この運動の20〜30回を1セットとし、1日に2〜3セット行うとインナーマッスルが鍛えられていきます。強い疲労感を感じてしまう方は、腹筋などの余計な場所に力が入っているかもしれませんので、あくまでリラックスして行うことを意識しましょう。

(2)正しい音程で歌えるようになろう

正しい音感で歌えるようになるための練習をしましょう。トレーニングで鍛えることができる「相対音感」を身につけることができれば、バンドで不協和音を奏でてしまうこともありません。

「ドレミファソラシド練習法」は、ドレミファソラシドの音程の流れをからだに覚えこませるための練習法です。ピアノやチューナーなどの、正確な音を出せるものを用意して行います。

はじめに、「ド」「レ」「ミ」「ファ」と順番に、ピアノで音を確認しながら声を出し、音程をとります。

次に最初の「ド」の音をピアノで出し、アカペラで「ドレミファソラシド」「ドシラソファミレド」と歌ってみましょう。そして時々ピアノで音を出し、音程のずれがないかどうかを確認します。ずれているときは、最初の一音ずつ確認する練習に戻りましょう。

(3)「和音感覚」もバンドボーカルには大事

また、和音感覚を鍛えるトレーニングを行うと、バンドボーカルに必要な「ハモっている感覚」を身につけることができるでしょう。ハモっている気持ちいい響きになっているかどうかを、演奏中に把握できているかはとても重要です。

「分離唱練習法」では、まずピアノなどを使って「ドミソ」の3音の音量を揃え、和音を鳴らします。そしてその和音を注意深く聞いて、真ん中の「ミ」を発声してみましょう。

発声しながら、自分の「ミ」がピアノで出している和音に溶け込むよう、自分の声が浮いて聞こえなくなるように音程を微調整してみます。「ミ」ができたら、「ド」と「ソ」でも同様の練習を行い、「ドミソ」の全ての音ができたら、ほかの和音でも繰り返し練習しましょう。

(4)リズム感を養ってバンド演奏に乗ろう

バンドボーカルには必須の、リズム感を養うための練習も大切です。まずは練習曲を何回も聞き込み、曲のリズムをしっかりと覚えることから始めましょう。曲を覚えてきたなと感じたら、イヤホンなどで曲をよく聞きながら歌う練習も効果的です。

そして曲に合わせて足踏みやからだを揺らすなどし、自分のからだにリズムを覚えこませましょう。

また、メトロノームを使ってリズム感を鍛える練習法もあります。メトロノーム(スマホアプリでも可)をテンポ120以下に設定し、刻むテンポに合わせて足踏みをします。慣れてきたら手拍子を加えて行ってみたり、メトロノームのテンポを遅くしたり早くしたりして、変化をつけながら練習を行いましょう。

(5)豊かな感情表現で歌唱力を高めよう

曲の世界を豊かに表現することができれば、自分の歌唱力をより高めることができるでしょう。「歌で表現する」ことに慣れていない方は、まずは表情を作って歌の感情を表現してみましょう。

明るい曲調のときはニコニコと、悲しい曲調のときは悲しげな顔で歌うことを心がければ、表現は後からついていきます。練習する曲の歌詞カードを用意し、「楽しい」「悲しい」などと部分部分の感情をメモ書きしておくことをおすすめします。それをみながら表情を作りつつ、歌う練習を繰り返すといいでしょう。

Read more
2 / 3

ピックアップ記事